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マリーローランサンとその時代展
巴里に魅せられた画家たち

「マリー・ローランサンとその時代展」
(巴里に魅せられた画家たち)

2月5日、「一宮市三岸節子記念美術館」で見て来ました。
マリーローランサンは、何年か前、その淡くロマンチックな画風が女性たちの間で話題になりブームになった時期があります。評判だけは知って写真などで絵は知っていました。名古屋でも展覧会がありました。
「一宮市制90周年記念事業」ということで開催中(1.28〜3.11)です。
場所が(旧尾西市小信中島)で、わざわざ出掛けるには不便です。名鉄バスで「一宮西口ターミナル」から15分(往復660円)。美術館入館料は(¥800)です。一宮市内在住65才以上無料、私は76才ですから無料ですが良いお客さんとは言えません。私は車には、もう乗らないのですが、バスもどうかと思うので自転車で行きました(30分)。幸い風も無く穏やかだった事と、捜していた「野ばら」のビデオが尾西図書館にしか無かったので、それを借りに行くのを兼ねて、開館9.00の10分前には美術館の前に居ました。
実は「三岸節子美術館」に入るのは初めてです。開館直後、建物の前まで行った事はありましたが三岸節子さんの画風にはあまり興味が無かったので中には入りませんでした。
今回は、建物の周囲を回り、生まれ育った環境を思い巡らしました。経歴については周知の通りですが検索などでより知ることが出来ます。
日曜の朝という事か、私の居た1時間程の間に見掛けた人は2人でした。混む展覧会は大変ですが、私には貸し切りみたいで、行ったり来たり、ジックリみる事が出来ますが、100点近くを見るとかなり疲れます。土蔵には「アトリエ」が再現展示されています。常設展示室には「三岸節子 桜に至る道程」(12点)が展示されています。

「第1章 パリの画家、マリー・ローランサンの展開」(30点)マリーローランサン美術館所蔵
油彩29点、水彩1点

「第2章 パリの華やぎ」 
シュザンヌ・ウ”アラドン、ジョルジュ・ルオー、モーリス・ド・ウ”ランマルク、キース・ウ”アン・ドンゲン、アンドレ・ドラン、モーリス・ユトリロ、藤田嗣治、モイズ・キスリングの油彩14点、ほか「バレエ・リュス関連資料」(デッサン・図版・緞帳・公演プログラム)など 

「第3章 日本人画家の活躍 31点」
徳永仁臣(2点)児島虎次郎(8点)古家 新(2点)佐分 真(1点)佐伯祐三(2点)荻須高徳(4点)小磯良平(8点)三岸節子(4点)

マリー・ローランサン関連は、マリーローランサン美術館所蔵で他地区にも巡回されるようですが、大変な事だと思います。透明感のある色調は、水彩かと思う程ですが接近して見ると油彩です。ロマンチックな画面構成は、さすが女性の心を、ほのぼのとさせる魅力があります。男性は描かないという中で男性の肖像画が2点ほどありますが解説では恩になったからとあります。
マリー・ローランサンの世界に浸りたい方はお出掛けになったら宜しいかと思います。
中日新聞愛知県内版に今日(2.17)明日、学芸員の絵の解説が載っています。御参考に。

日本人画家の活躍の展示では、なかなか一度に見る機会は無い有名画家の作品が並んでいます。
高梁・神戸・田辺・岡山・稲沢・一宮の美術館からの出展です。
徳永仁臣・児島虎次郎・古家 新・佐伯祐三・小磯良平の絵は、なかなか著名画廊以外では見る事はありませんから一見の価値は大いにあります。制服ガードマンが監視しています。

レクチャー講座(2・25(土))学芸員によるギャラリートーク(3・4(日))があります。
時間・定員・受付などは「三岸節子記念美術館」HPで検索確認して下さい。

これだけの展覧会が開催される事は大変素晴らしい事ですが、期間中、果たしてどれほどの人が場所としては不便な所へ来られるでしょうか。駐車場は有りますが名古屋から公共交通機関を使って来られると¥2.000程要ります。名古屋市内の美術館やギャラリーでは、いつでも展覧会が行われ常設展示だけでも著名な作品に出会えます。
名古屋市美術館で開催された「中村正義(新たなる全貌)」に、11.4日、行きましたが本展の他に見た「所蔵品常設展示」には、美術全分野にわたる素晴らしい作品にいつでも会えます。市外高齢者は有料ですが・・。
マリー・ローランサンの絵も、超目玉の「おさげ髪の少女(モジリアニ)」に並んで展示してありました。
地方の美術館は個人の名を冠した立派な公立美術館がありますが運営は難しいようです。
小牧には私立の「メナード美術館」があり、私も行き「棟方志功」の、釈迦十大弟子や「芹沢_介」「荒川豊蔵」など、人間国宝の名品展を見ましたが「古川美術館」と同じように小じんまりした美術館の方が程良いと思います。「釈迦十大弟子」は、その後、「一宮市博物館」で開催された「棟方志功と佐藤一英」で再会しました。
佐藤一英は、棟方志功と親交が深く「大和し美わし」の、長編抒情詩を絵巻版画にした力作の展示と共に多くの棟方作品が展示されました。博物館開館記念行事だったかと思います。
「一宮市博物館」は、黒川紀章設計の素晴らしい建築作品ですが立地条件が悪く誠に残念な事です。
今、企画展「暮らしの中の民具(竹細工)」(くらしの道具-今と昔)開催中です。
大八車・石臼・つるべ井戸・竈・お釜・火鉢・炬燵・ほうろく、など、戦後三十年頃には使われ、私
の家にも多く有りました。電化生活の始まる前の物です。懐かしいと言うより如何に現在が恵まれているかを考え直す機会です。体験しなければ理解出来ない過去の苦労ですが、経験の深い高齢者にも余生を無駄に費やしてはいけないと反省の気持ちを伝えてくれます。 
                               2012.2.17 記
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