東京地裁で9月21日に全面勝利の判決を闘いとった東京の予防訴訟の原告団共同代表の永井栄俊さんが来阪されたので、 12月2日に訴訟団事務局との間で十数名で交流会を開きました。
永井さんは、はじめに東京地裁での勝利は全国の皆さんからの支援と励ましのおかげです、どうもありがとうございましたとお礼を言われました。そして、今回の大阪の新勤評反対裁判は東京の君が代予防訴訟と並んで車の両輪になる歴史的な闘いです、東京としても全面的に協力しますと励ましてくださいました。
昼間に「日の丸・君が代による人権侵害市民オンブズパーソン」主催の講演会で講演し、質疑に答えた後でお疲れだったはずですが、私たちのために自分たちの裁判闘争の経験から何が大切かをきちんと考えて準備し、以下のように話してくれました。(本当に感謝あるのみです)。
(1) 何としても原告、支援者の数を増やすこと。東京でも最初は弁護士もマスコミも振り向いてもくれなかったが、原告の数が100名を超えてから裁判所も、マスコミも対応が変わった。予防訴訟は原告団は402人、弁護団は60名以上になっている。
(2) 東京では原告も弁護団も大忙しだ。特に弁護団は全部のビラまき現場の立ち会いや、都教委の事情聴取への立ち会いに必要なのでいくらいても足りない状況だ。
(3) 徹底的に教育委員会の側の資料を開示させることが決定的に重要だ。学校現場で言っているのと正反対のことを校長は教委に言っている。教育委員会がやっていることを暴き立てることなしに裁判には勝てない。
(4) いつも攻める気持ちを持ち続けることが大切。たとえ「負けていても」勝つんだ、せめているぞと言う気持ちで闘い続けること。
(5) 裁判では自分の主張を行うというだけでなく、裁判長を説得するつもりで丁寧に準備すること。東京では弁護団が原告の声(陳述)をできるだけ多く入れて現場の状況を知ってもらった。(10数人の原告が陳述した)現場の状況を裁判官に理解してもらうことが大きな力になった。
(6) 自分たちの主張を裏付ける専門家を見つけること。東京では土屋英雄筑波大教授の意見書が大きな力になった。
(7) マスコミ対策は重要。どんなことでも記事にしてみんなに知ってもらう機会を意識的に追求した。マスコミが記事にしやすい資料も作った。
(8) 都高教など組合執行部は支援に消極的だった。しかし、原告は組合員に常に働きかけ続け、また組合の会議等を通じて宣伝し組織化を行った。裁判を続ける中で、同時に卒・入学式の闘争方針を提起し、原告団が事実上闘争をリードする形で運動を続けてきた。その結果、組合の中で原告団の提案する修正案も可決されるほど力を持つようになった。
永井さんの話は、提訴したばかりでどうやって裁判を闘ったらいいのかまだよくわからない私たちにとって最大の贈り物でした。今後の闘いについてやり方をイメージする上で大変役に立ちました。大変心強い思いをした交流会でした。