「新勤評反対訴訟団」結成総会へのメッセージ

永井栄俊さん(国歌斉唱義務不存在確認等請求訴訟原告)

東京より大阪で闘う仲間へ激励のメッセージを送ります。

去る9月21日、私達は歴史的な勝訴判決を受けました。

「日の丸君が代」の強制が違憲・違法にあたるとする判決です。そして、校長の職務命令もまた違法であり、懲戒処分をしてはならないと命じました。

これは、全国で闘う仲間との連帯で勝ち得たもので、全国の闘う仲間全体の勝利です。私達は権力の横暴と、教育破壊の攻撃に対して、一つひとつ反撃していくことが大切です。訴訟の闘い方は、予防訴訟がそうであったように、必ず当局の譲歩と自主規制を導き出します。そして、予防訴訟の勝利が明らかにしたものは、今や、行政訴訟は集団訴訟でなければなかなか困難になってきていると言うことです。その意味では、今回の大阪の皆さんの集団訴訟は必ず大きな成果を向かえるに違いありません。

東京から応援致します。

大内裕和さん(松山大学)

10・21「新勤評反対訴訟団」(略称)結成総会に集まった皆さん、「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」呼びかけ人の大内裕和です。本日の総会に心から連帯のメッセージを送らせていただきます。

大阪をはじめ、全国で進められつつある教職員の人事考課は「より良き教職員づくり」という名目の下に、教職員間の格差を拡大し、国家・行政による教育支配を強めるものです。

大阪府教委による「評価・育成システム」は教職員の「自主性・主体性」を強調していますが、府教委の方針に基づく「目標」が校長によって決定されていることからもわかるように、そこにはあらかじめ一定の枠が設定されています。しかも評価権が教育長・校長にある以上、各教職員はその目標設定から達成の仕方まで、強い拘束を受けることになります。そこでは「評価」という名の「統制」が猛威を振るうことになります。これは現行の教育基本法第十条が禁じた行政による「不当な支配」であり、また教員の「全体の奉仕者」(教育基本法第六条)としてのあり方を否定するものです。

現在開かれている臨時国会において、政府の教育基本法「改正」法案を成立させることが安倍新政権の「最重要項目」となっています。教育基本法の改悪が狙われ、それへの反対運動が全国各地で大きく広がっている今日、本日の結成総会が開かれることの意味は非常に大きいといえます。大阪府教委による「評価・育成システム」は現行の教育基本法の理念に反するものであり、それが実施されることは教育基本法改悪の先取りに他なりません。「評価・育成システム」の是非を裁判で問うことは、教育基本法を生かす実践であり、教育基本法改悪阻止につながる行動であることは明らかです。またそれは、公教育に市場原理を導入することによって学校を経営体化し、格差社会を拡大させている現在の教育改革のあり方を問い直すという点でも意義深いものです。

本日の「新勤評反対訴訟団」結成総会の成功を心より願っています。ともに頑張りましょう。

野田正彰さん(関西学院大学)

教育についての自己申告は、教育者が自分自身にするものです。どのように努力し、何を目標にするか、同僚と話し合うのは良いことですが、上司に強制されて提出するものではありません。精神の内面の強制的表出は教師に命じてならないし、こどもに求めてはならないことです。

高橋哲哉さん (東京大学)

大阪府教育委員会が導入しようとしている、「給与反映」を伴う「評価」システムは、「教育」に対する「不当な支配」を禁じた教育基本法第十条に違反する疑いがあります。

教育行政が意のままに牛耳ることのできる学校は、もはや「教育」の場とは名ばかりで、国家の統治機構にすぎなくなり、日本の教育は死ぬことになるでしょう。

私はそのことに強く反対し、皆さんに連帯のメッセージを送らせていただきます。