訴訟団結成総会集会アピール

私たちを、そして全国の良心的教職員を勇気づけてくれた東京の「予防訴訟」、日の丸・君が代強制違憲判決。その背後には、無数の苦悩と葛藤、苦しい闘いがあり、敗北に次ぐ敗北がありました。それでもなお屈しない確固たる信念があったことを、私たちは忘れてはなりません。

今度は、私たちの番です。

韓国に「シジャギ パニダ」=「始めることが半分」ということわざがあります。何事も始めるまでが大変で、それができれば半分成し遂げたも同じ、という意味です。始めることの困難とその意義・重要性をたった一言で、なんと見事に言い表していることでしょう。

もちろん、後の半分の困難を直視しなければなりません。決してたやすく勝利できるわけではないことは承知の上です。それでも、私たちは今まさに「始める」という最初の大きな困難を乗り越えようとしています。そしてこの闘い、始めることに重大な意義があり、旗を立てることに意味があると考えています。

なぜなら第一に、目前に迫る教育基本法改悪阻止闘争の真っただ中で、その教基法を守る闘いの一環として、教基法を正面に掲げて、安倍反動政権に挑む闘いであるからです。

第二に、全国に先駆けて導入されたこの制度「評価・育成システム」を「新たな勤評」と位置づけ、良心を押しつぶし教職員と子どもたちを思考停止に追い込み、教育を絞め殺すがごときこの制度にあくまで抵抗し踏みとどまろうとする小さな勢力が、しかし確実に存在していることを、全国の仲間に発信することができるからです。

第三に、何よりも私たち自身が、教育のあるべき姿を必死で追い求め守り通そうとする仲間の存在を互いに確認し、前に進もうとする意欲を支え高めあう、そのような闘いだからです。

一人ひとりの、拠って立つ信念や確信は同じものではないでしょう。むしろ100人いれば100通りの、 1000人いれば1000通りの、教育にかける思いがあり情熱があるはず。この多様性こそが教育の命であり、一人ひとりの思いこそが私たちの力の源泉です。

私たちはまだ非力で取るに足らない勢力かもしれません。しかし小さくとも確信に裏打ちされた毅然たる闘いが、活路を切り拓き流れを変えることがあります。たった一人の勇気ある証言や告発が、巨大な壁に衝撃を与え歴史を動かすこともあるのです。

さあ、始めましょう!