両親がお店を開店した時(1993年頃)に県の農業改良普及所の職員の方から『施設に植えてみないか』と、苗木を3本提供されたことがきっかけで出会った花木です。
白・紅・濃桃・薄桃の4色あり、ほうき状に背高く成長し、その名にふさわしく、陽の光に輝き本当に見事な姿です。
お山のたいしょうはミカンの段々畑に植栽され、起伏のある中に咲く姿は立体的で、妖艶な姿は映画のワンシーンのようです。
同じ頃にソメイヨシノも見ごろを迎え、山一面が春爛漫の姿となります。少しずつ植栽し続け、現在約200本。
喧騒を離れた山の中で、ゆっくりとお花を観賞するひと時をお楽しみくださいませ。
●おかめ桜は、寒緋桜と豆桜の掛け合わせで生まれた品種です。イギリスで桜品種を幅広く収集した研究家・コリングウード・イングラム博士によって開発されました。日本に里帰りの際、日本人になじみのある名前を、ということで『オカメ』と命名されたそうです。根府川では、毎年『おかめ桜まつり』を開催しています。今年は2月24日~3月24日開催です。2月下旬頃~3月半ば頃まで楽しめます。
●照手桃は神奈川県農業改良普及所で開発育成された花桃です。藤沢市の遊行寺に伝わる中世の物語『小栗判官』に登場する美しい姫・照手にちなんで命名されました。その名の通りの美しい姿です!3月上旬頃~下旬頃まで楽しめます。
父が市の職員から『珍しい桜の木がある』と紹介していただいたのは、かれこれ20年近く前の事でしょうか…。翌年に花を咲かせたその可愛らしい姿にすっかり魅了され、以来、黙々と苑内に植栽し続け、現在は300本を超すまでとなりました。
両親がお店を開店した時、大事にしていきたいと思ったことの一つに、『お客様に故郷に帰ってきたような気持ちでお過ごしいただく』ということがありました。寒い冬を過ぎ、山の色彩に花の色が加わり、いよいよ春を迎えるころ、真っ先に私たちの心を和ませてくれるおかめ桜。
その花の蜜を吸うために鳥たちが飛来し、美しい鳴き声を山に響かせます。その様子は、里山の風景そのものです。この姿を見た方の心に、故郷を思い出すときのような、どこか懐かしい気持ちを感じていただけたら、とてもうれしいです。