【言葉の重み】
『好き』
『愛してる』
言えてしまえば楽なのに。
もしも、今感じている想いを伝えたら何かが変わるだろうか…。
それは距離感だったり、感情だったり、意識だったり。
――言ってみようか。
案外、頭で考えるよりも簡単に口に出てくれるかもしれない。
「す――…」
「?」
すっかり自分の世界に入ってしまった自分の様子を横目で眺めていたらしいアポロが、
何?と言うように顔を覗き込んできて、言葉を飲み込んだ。
い、言えない……。
「す…」
「す?」
「――す…す……」
「何、清麿?」
にっこりと微笑まれ、ぅう…と唸り声を上げながら拳を握る。
本当は好きで、傍に居て欲しくて、触れたくて、掛け替えの無い存在で、自分にとって大切で……。
それをどう伝えたらいいのだろうか…
どうしたら素直に伝える事が出来るのだろうか…
何もわからなくて、言葉が出なくて、もどかしい。
「……清麿」
それを知ってか、知らずなのか。
視線を落とした清麿の頬に手をあて顔を向き合わせると、ほんの一瞬触れるだけの口付けが施された。
「僕も清麿を愛してるよ」
「――――ッッ!!///」
顔が真っ赤に染まり、それを隠すように手で覆う。
『愛してる』の一言がこんなに嬉しい。
だから。だからこそ、自分もアポロにも伝えたいのに……
「ア、アポ……」
「――いいよ。解ってるから」
「……へ?」
自分でも素っ頓狂な声を出したと思う。
だけどアポロのいかにも、何でもお見通し。という表情に眉を寄せた。
「清麿の場合、目は口ほどに物を言うからね」
ニコッと、本当に嬉しそうに笑うからそれ以上何も言えなくて
「だから清麿のペースで構わないよ。いつか言葉でも喜ばせてくれるなら、それまでいくらでも待つから。」
「…アポロ」
それは嬉しいようで、恥ずかしいようで、情けないようで、擽ったかった。
伝えたい気持ちがしっかり届いてた。
それは、それだけ愛されている証拠でもあって…
「そのうち…そのうち、絶対言うから…///」
「うん…楽しみにしてるよ」
繋がれた手からも伝わる想い。
素直に心に言葉が追い付いたその時こそ
『 愛してる 』
伝えたい言葉が形になる瞬間―――
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浅葱さまより頂いたお宝第2弾でございますv
もうキュンキュンしすぎてゴロゴロしまくりで…
ニヤけた私の顔キモい!!(涙)
素敵文章を素敵に飾るスキルがなくて迷走中…;
どうしたら見やすいのだろう(涙)