ゾロアスター教(ゾロアスターきょう)

[中東−古代]

現在のイランで生まれた宗教。拝火教とも言う。 紀元前650年頃に生まれたゾロアスター (ザラスシュトラ、 或いはツァラトゥストゥラと言った方が本来の呼び方に近い) が当時の宗教を改革し、統一された宗教を生み出したのが始まりである。 最大の特徴は、世の中を善と悪の二つに分ける二元論的な世界観である。 世界は、善なる光の神アフラ=マズダと悪の暗黒神アフラ=マンユ (アーリマン)の勢力の闘争であり、 人間は善神のため戦わなければならないと説いた。 この思想は、ユダヤ教、 さらにはキリスト教やイスラム教といった一神教に大きな影響を及ぼした。 また拝火教の異名の通り火を精霊アータルとして神聖視していたが、 これも後のキリスト教の天使に影響を及ぼしている。 ちなみにゾロアスター教はアケメネス朝からササン朝の時代まで 全盛期を誇るが、 イスラム教の勢力拡大によって衰退した。 しかし、細々とではあるが中国など各地に伝わり、 現在でも少数派とは言え存続している。

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