ウィリアム=ウォレス

[ヨーロッパ−中世]

中世スコットランドの英雄。 グラスゴーの下級貴族或いは平民の出身と言われるが、確かなことは分からない。 当時のスコットランドはイングランドのエドワード1世に支配されていたが、 1297年に再独立を目指して挙兵、 スターリングブリッジでシルトロン (長槍部隊密集陣) を駆使してイングランドに勝利した。 この功績により後のスコットランド王ロバート=ブルースからナイトの称号を与えられ、 「王国の守護者」と呼ばれるようになった。 しかし、軍の主力である大貴族はエドワードと結んで独立には消極的で、 エドワード親征軍に対するフォルカークでの敗北に繋がった。 その後大陸に亡命しフランスや教皇に支援を訴えたが成果は得られず、 潜伏中にスコットランド人の裏切りにより捕らえられ、 反逆罪で極刑 (四つ裂き) に処された。 死後死体を晒されたが、これによりウォレスの奮闘が伝わり、 後のロバート=ブルースによるスコットランド再独立に繋がった。
映画「ブレイブハート」の主役として世界的に有名となった。 ただ、良い映画であるが、映画自体はフィクションが多いので注意が必要である。 また、映画では純粋な愛国者として描かれているが、 当時の国家・民族の概念は近世以降とは違うことに注意する必要がある (例えばイングランド王はイギリス人よりフランス出身の意識が強かったようである)。

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