ウィリアム1世

[ヨーロッパ−中世]

現在のイギリス王家の先祖であるイングランドのノルマン王朝の初代王。 通称征服王。 ノルマンディー公としてはギョーム2世。 ノルマン人であるが、フランスのノルマンディー公であったため、 実際は言葉もメンタリティーもフランス人である。 フランス王配下のノルマンディー公ロベール2世の庶子として生まれ、 跡を次いで自身が公になると、国力を蓄えつつフランドル伯と通婚して イングランド王家とも親戚となる。 王エドワードの死後の後継者争いに参加し、 対抗者ハロルドを敗死させてイングランド王に即位した。 即位後は敵対したサクソン貴族の領地を取り上げて 家臣や敵対しなかった貴族に与え、 イングランド封建制の基礎を築いた。 また土地台帳であるドゥームズデイ=ブックを作成させ、 カンタベリーとヨーク司教の争いでカンタベリーに肩入れして 教会を事実上支配下に収めるなど、王権強化にも尽力した。 最後はフランス王フィリップ1世との交戦中に陣没し、 ノルマンディー公位は長男ロベールが、 イングランド王位は三男ウィリアムが継いだ。

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