西ローマ帝国(にしローマていこく)

[ローマ帝国]

テオドシウス大帝の死後息子達に分割された帝国の内、 ホノリウスに与えられた西側の領域のこと。 実際にはディオクレティアヌス帝時代から帝国領の分割は行われていたが、 西ローマ帝国と言えばホノリウス以降分裂が確定してからの呼称である。 ホノリウス以降皇帝に血統を重視したため幼少・暗愚な皇帝が続き、 ゲルマン人の将軍に実権を握られることとなった。 またゲルマン人の侵入に対し有効な手を打てず、フン族は辛うじて撃退したものの、 領内は次々とゲルマン人の王国に変貌していった。 ついにゲルマン人傭兵同士の対立から隊長オドアケルが最後の皇帝を廃位し、 自らは皇帝ではなく王を名乗り、帝国はここで滅亡したと見なされている。 ちなみに東ローマは以後建前はともかく実際にはほとんどローマとは別の国に変容していくので、 普通ローマ帝国の滅亡と言ったらこの西ローマの滅亡を指すことが多い。 以後西ヨーロッパでは皇帝不在で東ローマに恭順したり対立したりの状況が カール大帝の戴冠まで続くのである。 ちなみにフランクや神聖ローマ帝国はこの西ローマとは当然のことながら全く別の国だが、 称号や鷲の旗は受け継いでいる。

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