ヴェンツェル

[ヨーロッパ−中世]

ルクセンブルク朝の神聖ローマ帝国皇帝・ボヘミア王・ブランデンブルク選帝侯・ ルクセンブルク公。 ボヘミア王としてはヴァーツラフ4世。 名君カール4世の息子でジギスムントの兄。 ヴェンツェルは父カール以上にボヘミアの統治に力を入れたが、 その分ドイツの統治が等閑になったらしく、 プファルツ選帝侯ルプレヒトに帝位を奪われた。 帝位を奪われた後もボヘミア王として統治を続けた。 この頃ヤン=フスによる宗教改革が行われ、 ヴェンツェルはフスを支持したが、 皇帝となっていた弟ジギスムントが処刑してしまった。 ヴェンツェルには息子がいなかったため、 その死後ジギスムントが後継者となったが、 フスを処刑したジギスムントに対してボヘミア民衆の怒りが爆発し、 フス戦争が始まった。
ヴェンツェルは弟ジギスムントと違って悪い王というわけではなかったが、 皇帝廃位させられたり弟の愚策を止められなかったり、 いささか有能とは言い難い。 父カールの能力の一部だけ受け継いだようである。 全く受け継がなかったらしい弟よりはマシであろうか。

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