薔薇戦争(ばらせんそう)

[ヨーロッパ−中世]

中世イングランドの内乱。 当事者であるランカスター家が赤薔薇、 ヨーク家が白薔薇を紋章としていたので後世薔薇戦争と呼ばれるようになった。 百年戦争の敗北が決定的になった後、 ランカスター朝のイングランド王ヘンリー6世が精神を病んでいたこともあり、 王室の権威は失墜した。 その状況を見て王室傍流のヨーク公リチャードが王位を狙って反乱を起こした。 両者の勢力は拮抗し一進一退であったが、 戦死したリチャードの跡を継いだ嫡男がヘンリー6世を退位させ、 エドワード4世として即位した。 とは言え政権は不安定で、一時はヘンリー6世が復位もしたが、 エドワード4世がまた王位を奪い返し、その際反対派を徹底的に粛清した。 ところが、エドワード4世が病死すると、 まだ少年の後継者エドワード5世を廃し、 4世の弟グロスター公がリチャード3世として即位した。 このリチャード3世に反対する勢力が再び盛り返し、 フランスに亡命していたランカスター派の リッチモンド伯ヘンリー・テューダーが彼を敗死させた。 ヘンリー・テューダーはエドワード5世の姉と結婚してヨーク家と和解し、 ヘンリー7世として即位した。 彼によってイングランドの政情は安定し、内乱は終結を迎えた。

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