四カ国同盟戦争(しかこくどうめいせんそう)

[ヨーロッパ−近世]

ブルボン王家のスペインとオーストリア・イギリス・フランス・ ネーデルラント4カ国同盟+サヴォイア公国の間で行われた戦争。 スペイン継承戦争によりブルボン王家のフィリップがスペイン王フェリペ5世となったが、 代償としてネーデルラント・イタリアの領土を失っていた。 このことに不満を持ったフェリペらスペイン指導層は、 オーストリアがオスマン帝国との露土戦争に掛かり切りになっている隙に派兵し、 サルデーニャ島及びシチリア島を占領した。 これが各国の警戒を招き、まずイギリス・フランス・ネーデルラントが同盟を結んだ。 領土を奪われたオーストリアは当初オスマン戦争のため消極的であったが、 終戦条約が結ばれると同盟に加わり4カ国同盟となった。 同じく領土を奪われたサヴォイア公国は当初スペインと交渉していたが、 決裂し同盟側に加わった。 開戦後5カ国を敵に回したスペインは劣勢に陥り、占領した領土を奪還されたが、 同盟側もスペイン継承戦争や露土戦争の疲弊が大きく、 決定的な戦果には至らなかった。 勝ち目がないことを悟ったスペイン側が和平を打診し、 スペイン側は全ての占領地を返還する代わりにパルマ公国の継承権が認められた。 またサヴォイア公国はシチリア島をサルデーニャ島と交換し、 以後サルデーニャ王国を名乗ることとなった。

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