[北米−近代]
アメリカとイギリスとの間の戦争。
当事国では開戦年から「1812年戦争」、
或いは「第2次アメリカ独立戦争」と呼ばれる。
独立してから日の浅いアメリカはナポレオン戦争に際し中立を保ち、
双方と貿易を行っていたが、
イギリス・フランス双方による海上封鎖のため支障をきたすようになった。
特に影響が大きかったイギリスの海上封鎖に対する反発が強まり、
また開拓に反発するアメリカ先住民の背後でイギリスが支援しているとの考えが広まり、
イギリスがヨーロッパの戦いに戦力を傾注していることもあって
アメリカ側から開戦に踏み切った。
アメリカはイギリスの植民地であったカナダ
及び南部の先住民であるクリーク族の領地へ侵攻したが、
イギリス軍の反撃にあい一時首都ワシントンを焼き討ちされるなど苦戦した。
イギリス側もアメリカを屈服させる余力は無く、
ガン条約によって現状維持のまま終戦した。
戦争は双方痛み分けで終わったかに見えたが、
イギリスではナポレオン戦争の陰に隠れがちなのに対し、
アメリカでは後世に様々な影響を及ぼした。
先ず先住民を軍事的に叩いたことで実質の領土が広がり、
またイギリスとの貿易が停止したことでアメリカの経済的独立が促され、
「第2次アメリカ独立戦争」の異名を持つことになった。
また戦いの最中アメリカ国歌「星条旗」が生まれ、
焼き討ちにあったワシントンの大統領府は改修時に白く塗ったことから
「ホワイトハウス」と呼ばれるようになった。