ウラジーミル=スズタリ大公国(ウラジーミル=スズタリたいこうこく)

[ヨーロッパ−中世]

ロシア北部の覇権を握っていた国家。 ウラジーミルはロストフ=スズタリ公国防衛のため比較的新しく作られた街だが、 公が在所をウラジーミルに移した後に公国の中心として発展した。 公国同士の抗争の中で公国は権勢を伸ばし、 フセヴォロド大巣公の代にルーシの覇権を握り、ウラジーミル大公として認められた。 しかしその後のモンゴル侵攻で領土が占領され大公ユーリー2世も戦死、 後継者ヤロスラフ2世はモンゴルに臣従することでかろうじて公国を存続させた。 ヤロスラフの子アレクサンドル=ネフスキーはモンゴルへの臣従は継続するものの、 優れた手腕でウラジーミル・ノヴゴロドの勢力を拡大させた。 その後ルーシ北部の覇権はアレクサンドル及び弟の子孫同士で争われたが、 徐々にアレクサンドルの末子ダニールの家系が治めたモスクワが勢力を拡大させ、 ウラジーミルおよびノヴゴロドをも支配するようになった。 14世紀後半には大公位はモスクワ公が所持するようになり、 ウラジーミル大公国はほぼ名前だけの存在となった。

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