ヨハネス=フェルメール

[ヨーロッパ−近世]

バロック期を代表するネーデルラントの画家。 レンブラントと共にオランダ黄金時代を代表する画家でもある。 オランダ南部のデルフトで織物職人兼宿屋店主の息子として生まれた。 彼自身はカルヴァン派であったが、長じてカトリックのカタリーナと結婚した。 その後画家として聖ルカ組合に登録したが、仔細は不明である。 当初は物語画家であったが、後に風俗画家に転向した。 子沢山で生活は苦しかったようで、裕福だったカタリーナの母マーリアと同居し 金銭的に頼っていたようである。 父の死後は宿屋の経営にも乗り出し、この収入や義母の財産により、 当時高価であったウルトラマリンなどの顔料を使用することが出来た。 さらに富裕な醸造業者がパトロンに付き、後世に残る大作作りに専念することが出来た。 しかし英蘭戦争の影響でオランダは荒廃し、 また若手の台頭もあってフェルメールは困窮するようになり、 負債を抱えたまま43歳で死去した。 フェルメールの死後妻カタリーナは破産し、残った家族も困窮したまま死去した。
フェルメールの死後残された作品が30〜40点と 寡作だったこともあって忘れ去られていたが、 100年以上後に印象派絵画の台頭によってオランダの写実主義絵画が見直され、 再評価されるようになり現在に至っている。 しかしその絵画の名声に対し、 彼自身に関しては困窮のまま短い生涯を終えたこともあり不明な点も多い。

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