ヴァロワ朝(ヴァロワちょう)

[ヨーロッパ−中世]

中世フランスの王朝。 ヴァロワ家はフランス王フィリップ3世の子シャルルを始祖とする伯爵家であったが、 カペー朝の嫡流が断絶したためシャルルの子がフィリップ6世として王となった。 これがヴァロワ朝の始まりである。 しかし、イングランド王エドワード3世もまたフランス王の血を引いていたため 王位継承権を主張し、元々の英仏対立もあって後に百年戦争と呼ばれる長い戦いとなった。 ヴァロワ朝は度々窮地に追い込まれたが、 最終的に一部の都市を除いてイングランドを大陸から追い出し、 フランスの支配権を確立した。 その後国内を安定させた王家はイタリアへ進出し、 イタリア戦争と呼ばれる一連の戦いを引き起こした。 ちなみにイタリア戦争を起こしたシャルル8世でヴァロア本家は断絶し、 分家のオルレアン家からルイ12世を迎えた。 またルイ12世にも世継ぎは無く、また分家のアングレーム家からフランソワ1世を迎えた。 このヴァロワ=アングレーム家が次のブルボン朝まで続くこととなる。 しかし、結局イタリアではスペイン・神聖ローマのカール5世に破れ、 締め出されてしまった。 その後国内のカトリック・プロテスタントの宗教対立が深刻となり、 国力が衰退する中最後の王アンリ3世が暗殺され、ヴァロア朝は断絶した。 その後ヴァロア家と同じくカペー朝から分かれた (このためヴァロア朝とは見做されない) ブルボン家のアンリ4世が王となり、フランスは絶対王政の時代へ向かうこととなる。

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