ルブリン合同(ルブリンごうどう)

[ヨーロッパ−近世]

ポーランド王国とリトアニア大公国の間の連合で、 これにより新たにポーランド=リトアニア共和国が誕生した。 実際には以前からポーランド化が進んでいたリトアニアのポーランドによる併合である。 リトアニアはクレヴォの合同以降同君連合であることもあって カトリック化・ポーランド化が進んでいたが、 ポーランドとは別の独立国としての体裁は維持していた。 しかし躍進著しいモスクワ大公国との戦いに敗れて不利な状況となり、 ポーランドの援助無しには立ちいかなくなった。 そんな中で両者の君主であるジグムント2世の意向もあって連邦化を図ることとなった。 地位の低下を恐れたリトアニアのマグナート(大貴族)の抵抗はあったが、 完全併合とせず連邦制とすることで妥協し、 ポーランドのルブリンにて調印された。 この合同によりポーランドはリトアニアに軍事支援をしたが、 モスクワに奪われた土地を奪還することはできなかった。 一方この合同に伴いウクライナ地方はリトアニアからポーランドに移管され、 リトアニアにとっては苦い結果となった。 一方ポーランドにとってはヨーロッパ有数の大国となる大躍進であったが、 当初ジグムント王が目論んでいた中央集権化には失敗し、 「黄金の自由」の代償として貴族の跳梁と政治的混乱・衰退を招くことになった。

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