ウルグ=アリ

[オスマン帝国]

オスマン帝国の提督 (レイス) 。海賊の頭目でもある。 元はイタリアのカラブリア地方の生まれでジョバンニという名であったが、 海賊に襲われて奴隷となり、別の海賊に買われた。 しかしその才覚を認められ、イスラムに改宗して海賊の一員となった。 その後もその手腕を発揮し、やがて提督にまでなった。 レパントの海戦にも参加し、ジャンアンドレア=ドーリアの艦隊を翻弄したが、 オスマン艦隊主力の壊滅により戦場を離脱、 提督クラスで唯一の生き残りとなった。 戦後、カプタン=パシャ (海軍司令官) に任じられ壊滅したオスマン海軍を再建し、 東地中海の制海権を維持した。 しかし、彼の死後オスマン帝国も海軍も衰退し、 ウルグ=アリは最後の偉大な提督となってしまった。
ところでイタリア出身のウルグ=アリに限らずオスマン帝国で活躍した人物には 非トルコ人が多い。 ゲルマン人が支えた末期ローマ帝国や商鞅以来他国人が支えた秦を彷彿とさせる。

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