テューダー朝(テューダーちょう)

[ヨーロッパ−近世]

近世のイングランドの王朝。 元は落ちぶれたウェールズ王家の末裔であったが、 ヘンリー5世の未亡人キャサリンと内密に結婚したため 一躍上級貴族となり、 さらに王位継承権までも手中にした。 薔薇戦争でランカスター本家の者や親類縁者が多く死去し、 最期に勝ち残ったヘンリーがヘンリー7世として即位した。 初代ヘンリー7世から最後のエリザベス1世まで絶対王政を推進し、 イングランドを西欧の強国として繁栄させることとなった。 またヘンリー7世の子ヘンリー8世の代に結婚問題で対立したため、 ローマ教会から独立して国教会を創設した。 その後メアリーによるカトリック復興の動きはあったものの、 次のエリザベスの代に国教会への転換をさらに推し進め、 イギリスがプロテスタント国家となる基となった。 さらにそのエリザベスの代にスペインとの海戦に勝利したことで 海上の覇者としての第一歩を歩み始め、 後の大英帝国繁栄の先駆けとなった。 このように繁栄したテューダー朝だが、 最後のエリザベスに世継ぎがいなかったため断絶、 その後イングランド王位はスコットランド王家だったステュアート朝に受け継がれた。

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