護民官(ごみんかん)

[共和政ローマ・ローマ帝国]

共和政ローマ初期の「聖山事件」によって出来たローマの官職。 その日本語の名の通り、権力者であった貴族から平民を守るため生まれた。 その立場故、身体は神聖不可侵であり、 また元老院や政務官に対する拒否権を持つ。 時代が下り、定数と権限が強化されると、 重要な官職として政治の表舞台で重要な働きをするようになる。 特に門閥派と平民派の争いにおいて、平民派の大きな拠り所となった。 有名なグラックス兄弟は次々とこの職に就いて改革を進めたが、 この時は護民官特権である身の神聖不可侵を侵されて暗殺されてしまった。 帝政に移ると、この護民官特権は皇帝が持つようになり、 その強大な権力の大きな支えとなった。

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