リチャード=トレビシック

[ヨーロッパ−近代]

イギリスの技術者で、蒸気機関車の発明者。 イングランド南西部のコーンウォールで鉱山の監督の末っ子として生まれた。 子供の頃から大柄で運動は得意であったが、 勉学は算術以外は不得手であった。 長じて鉱山で働き始めると熱心に働き、 父の人気もあって若いうちに人望を集めるようになった。 鉱山の技師となったトレビシックは 排水ポンプに使われていた蒸気機関の改良に取り組み、 ワット機関より圧力を高めた高圧蒸気機関の製作に取り組んだ。 当初はワットが安全上の懸念から反対し差止命令を出されたが、 ワットの特許が切れると試作に着手した。 最初は据え置きの機関を作ったが、 より高出力となった機関を用いて蒸気自動車、 次いで鉄路の上を走る蒸気機関車を試作した。 トレビシックは世界初となる蒸気機関車を作成し、 その後改良した車両も作成したが、 車両と線路の信頼性、特に線路の強度不足のため十分な性能が発揮できず、 本格的な実用化には至らなかった。 その後機関車開発から手を引いたトレビシックは トンネル掘削や海運などの事業を手掛けたが、 そのほとんどは成功せず貧困の内に亡くなった。

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