トーマス=ジェファーソン

[北米−近世・近代]

アメリカ合衆国の政治家で第3代大統領。 アメリカ合衆国建国時の主要メンバーで、建国の父の一人とされている。 植民地の名家の出身で、哲学・法律を学び弁護士となった。 やがて植民地議会の議員となって独立戦争に関わるようになり、 独立宣言の起草委員会のメンバーとして起草を行った。 当初のジェファーソンの案には奴隷貿易批判などが含まれていたが、 これは後に議会で削除された。 それでも当時革新的な内容となったアメリカ独立宣言の起草者として ジェファーソンの名声は高まった。 独立後は連合会議議長、公使、国務長官、副大統領を歴任し、 1800年の選挙で大統領に当選した。 大統領としては親フランスで、 フランスが戦費捻出のため売り出したルイジアナ植民地を購入し、 アメリカの領土を大きく広げた。 大統領の辞任後も公的活動を続け、 バージニア大学を設立した。 しかし晩年は金銭トラブルによって負債を抱えてしまった。
ジェファーソンはアメリカ独立の主導者の一人で革新的な政治家であったが、 同時に現実的な覇権主義的な面もあった。 ルイジアナ購入によってアメリカの領土を大きく広げ、 奴隷制に対しても批判的であったが、 彼自身奴隷を所有し奴隷制そのものには手を付けなかった。 またアメリカ先住民を「高貴な野蛮人」と呼び尊敬していたが、 敵対者として強制移住を行った。 ある意味自由と覇権主義のアメリカ合衆国そのものを体現した人物と言えよう。

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