テルミドールのクーデター

[ヨーロッパ−近代]

フランス革命期に独裁政治を行ったジャコバン派に対するクーデター。 テルミドールの反動とも呼ばれる。 このクーデターによってロベスピエール率いるジャコバン派政権は崩壊し、 フランス革命は終息に向かうことになった。 テルミドールはクーデターが勃発した フランス革命歴のテルミドール(熱月)9日にちなむ。
ロベスピエールは対立するジロンド派などを迫害し、 さらにジャコバン派内で対立したエベール派・ ダントン派を次々に粛清して独裁権力を確立したが、 粛清を免れた者たちの間で恐怖と共に反感が広がっていった。 国民公会でのロベスピエールの粛清予告が切っ掛けとなってこの反感が爆発し、 ロベスピエール一派が逮捕された。 既に人心を失っていたロベスピエールとその仲間は 自殺した者以外は抵抗らしい抵抗もできずに逮捕され、 首謀者はギロチンで処刑、それ以外もギアナ植民地へ流罪となった。 このクーデターによってロベスピエール率いるジャコバン派政権は崩壊し、 ブルジョアジーが主導する総裁政府が成立したが、 その政権基盤は弱く社会の不安定はナポレオンの登場まで続いた。

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