テキサス併合(テキサスへいごう)

[北米−近代]

メキシコから分離独立を果たしたテキサス共和国がアメリカ合衆国に加わった事件。 テキサスはアメリカ系移民が中心となって独立しただけあって 当初からアメリカへの帰属意識が高かった。 アメリカ側も領土拡大には熱心であったが、 メキシコとの関係悪化への懸念及び奴隷州と非奴隷州の対立 (テキサスは奴隷州となるので非奴隷州が反発した)から即座に併合はされなかった。 ヨーロッパ列強はアメリカの強大化に繋がる併合を防ぐ思惑からテキサスを承認したが、 アメリカに加われなかったテキサスがイギリスの仲介で メキシコとの関係改善を図ったため、 アメリカ大統領のジョン=タイラーはテキサス併合支持に転向した。 併合案は議会で否決されたが、 次期大統領が併合派のジェームズ=ポークに決まるとポークと共に議会工作に乗り出し、 再提出や修正を重ねた上で併合に漕ぎ着けた。 メキシコ大統領に返り咲いていたサンタ=アナは併合に強行に反対し 開戦も辞さないと通告していたが、 失脚して国外逃亡し穏健派の新大統領はヨーロッパ列強と同様に併合阻止のためテキサスを承認した。 しかし時既に遅くテキサスはメキシコの提案を拒絶しアメリカへの併合を承認した。 これによってアメリカとメキシコの対立は決定的となり、 米墨戦争の勃発に至った。

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