鄭成功(ていせいこう)

[中国−明・清]

明末の将軍であり、台湾の英雄。 海賊(と言うより海の領主) の鄭芝龍と日本人の母との間に生まれた言わばハーフである。 幼名福松。父は滅びた明の皇族に従っていたが、 福松は母と共に日本で育った。 7歳の時父に引き取られ中国で勉強した。 始めは文官を目指していたが、やがて武人に転向する。 明の王に気に入れられて「朱」の姓を賜った。 このため後に国姓爺(こくせんや)と呼ばれるようになった (ただし、本人は恐れ多いとして朱姓を使っていない)。 父は明の言わば亡命政権を見限り清に寝返るが、 成功はあくまで明に忠誠を誓った。 明軍の最高司令官となっていた成功は南部の海岸沿いの地域で力を貯え、 南京奪回を目指すが失敗、政策変更を余儀なくされる。 そこで目をつけたのが当時オランダの植民地であった台湾である。 成功は己の軍を台湾へ向けオランダの基地を攻略、 オランダ勢力を一掃し台湾全土の支配に成功する (ちょっと紛らわしいかな)。 台湾の内政に意を注ぎ、国力を貯えて清への逆襲の機会を狙うが、 志を果せぬまま39歳で病没する。 彼の息子達には父ほどの器量は無かったようで、 内部争いで国力を疲弊させ、やがて成功の勢力も清へ降伏、 台湾は清の領土となる。
後に近松門左衛門が「国姓爺合戦」を書いたことで日本でも有名になる。 鄭成功はおそらく台湾で最大の英雄であろう。 最後の勝者にはなれなかったが、 その手腕と人望は英雄たるに相応しいと言えよう。 さらに半分日本人である。 その割に日本での知名度はあまり高くないように思われる。 もっと有名になっても良いと思うのだが・・・・・・。

見出しのページに戻る
歴史小事典+歴史世界地図に戻る