スウェーデン大洪水(スウェーデンだいこうずい)

[ヨーロッパ−近世]

ポーランド=リトアニア共和国におけるスウェーデンによる侵攻。 大洪水時代とも呼ぶ。 選挙王政によりスウェーデンのヴァーサ朝のジグムントを王として以来、 スウェーデン王位を巡ってポーランドとスウェーデンは争いを続けていた。 ポーランド王は血統から王位を主張したが、 プロテスタント国家であったスウェーデンはカトリックの王を望まなかったため、 長い対立となった。 ウクライナのコサックの反乱を切っ掛けにスウェーデンはポーランドに侵攻し、 絶対王政を求めて貴族と折り合いが悪かったポーランド王ヤン2世は貴族に見限られ、 各地の領主はスウェーデン王カール10世に次々に降伏した。 ここでスウェーデン軍は占領地で略奪の限りを尽くしたため、 ポーランドは一気に衰退した。 この略奪が反スウェーデン気運を高め、 最終的に大規模な蜂起とスウェーデンの覇権を嫌った周辺国の反スウェーデン同盟により ポーランドから撤退した。 一連の戦争でスウェーデンは敗者となったものの、 バルト海沿岸を確保したことによりバルト海の覇者の地位を確立した。 一方ポーランドは戦場及び略奪の標的となったことにより 大国の地位から脱落する切っ掛けとなった。 またプロテスタントのスウェーデン軍に対する敵意によって宗教的に不寛容になっていった。

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