スペイン

[ヨーロッパ]

ヨーロッパのイベリア半島にある国家。 アラゴン王フェルナンドとカスティーリャ女王イザベルの 結婚による統一によって生まれた国である。 この生まれたばかりの国はイベリア半島のイスラム勢力を追い払って レコンキスタを完成させ、 さらにコロンブスを支援して新大陸航路を開拓して広大な植民地を手に入れた。 さらに2人の孫でブルゴーニュ公であったカルロスを王として迎え、 さらにこのカルロスが神聖ローマ皇帝カール5世となったことで ヨーロッパと中南米の大部分を領有する超大国となった。 しかしあまりにも広大な領土を維持するため年中戦争に駆りだされ、 莫大な富は国内の発展にはあまり使われず戦争に浪費されてしまった。 その息子フェリペ2世の時代には神聖ローマと分かれ、 代わりにポルトガルとその植民地を同君連合という形で手に入れたが、 オランダの反乱とそれに伴うイギリスとの戦いに敗れ、 一等国の地位から転落してしまった。 その後ポルトガルは再独立し、オランダの独立を承認させられ、 さらにフランスにピレネー山脈以北の領土を奪われ、 国力を衰退させていった。 カール以降のハプスブルク朝が断絶すると フランスが王位継承権を主張して各国と戦争となり、 南イタリア・南ネーデルラント・ジブラルタルなどの領土を手放して ブルボン王家が継承することとなった。 フランス革命後はナポレオン軍に蹂躙され、 最終的にはナポレオンの失脚により国土を回復するものの国力を低下させ、 さらに中南米の植民地が相次いで独立した。 さらにフィリピンとキューバの独立戦争に端を発する米西戦争に短期間で敗れ、 これらの植民地も新興国アメリカに奪われることとなった。 20世紀に入ると軍事独裁政権、不安定な共和制を経て軍部の反乱による内戦となり、 これに勝利したフランコによる独裁政権が誕生した。 フランコは第2次世界大戦で中立を守り、 その死まで体制を維持した。 その死後ファン=カルロス王子が王となって政権を受け継いだが、 このカルロス王は立憲君主国としてスペインを生まれ変わらせた。
歴史上超大国から転落し続け衰退を繰り返したスペインだが、 現在はEUの一員としてそれなりに発展している。 (最近の景気低迷はスペインだけの話ではない。) 南米の旧植民地との関係も良好だが、 スペイン資本は進出し過ぎて旧本国による侵略だと批判されることもある。 ちなみに地中海沿いの旧アラゴンと 内陸・大西洋側の旧カスティーリャは伝統的に仲が悪い。 旧ナバラのバスク地方は独立を目指す過激派すらいる。

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