シャー=ルフ

[中央アジア−中世]

ティムールの4男でティムール朝の第3代君主。 ティムール朝の最盛期の君主である。 ティムール朝の成立後にサマルカンドで生まれ、 若い頃から父の遠征に従い、ヘラート太守となった。 父の死後帝国は混乱し内乱となったが、 シャー=ルフがライバルを打倒し君主となった。 即位後は険悪であったオスマン朝や明との関係を修復し、 都を自身の本拠地ヘラートに移して帝国の最盛期を築いた。 一方、西のカラ・ユースフ率いる黒羊朝によってアゼルバイジャンが奪われるなど、 周囲の情勢は平穏ではなかった。 尚、アゼルバイジャンは黒羊朝を従属させる代償として黒羊朝に明け渡した。 それでも帝国の基盤は揺るがず、 シャー=ルフの在世中に大規模な戦争は起こらなかった。 さすがに長期政権を築くための基盤までは出来ず、 彼の死後再び内乱に突入してしまったが、 領内の統治は父ティムール以上に成功したと言えよう。 モンゴルのオゴタイに匹敵する名君かもしれない。

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