節度使(せつどし)

[中国−唐]

唐の玄宗李隆起の代に地方の防衛のために置かれた役職。 元々は国境を守る軍団の司令官であったが、 徐々に地方行政も担当するようになった。言わば総督である。 中央政府が混乱すると、 安禄山のように反旗を翻し政府を脅かすものまで現れた。 安史の乱の後、唐は中央は宦官、地方は節度使に完全に牛耳られる。 中には李克用のように唐に忠誠を尽くすものもいたが、 多くは独立君主として振る舞い、その中の一人朱全忠が唐を滅ぼすに至る。 地方分権はまとまりを保つのが難しい。 唐の場合は見事に失敗した例である。

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