フランス第二帝政(フランスだいにていせい)

[ヨーロッパ−近代]

ルイ=ナポレオンによる君主制政権。 第二共和政の大統領であったルイ=ナポレオンは 秩序党の暴走による人気失墜に乗じてクーデターを起こし、 絶対的権力を掌握した上で国民の支持を集め皇帝に即位した。 皇帝となったルイ=ナポレオンは言論・出版の自由を制限したが、 国内産業に投資して産業革命の進展を促した。 またパリを始めとする都市改造にも着手し、 雑然とした街並みを整理された近代都市へと変貌させ、 また国内の鉄道網も整備してフランスの近代化を推し進めていった。 さらに帝政中期頃からは世論支持を得るため規制を緩和し、 報道の自由の拡大や議会への譲歩が行われた。 このため前期を「権威帝政」、後期を「自由帝政」と呼び区分される。 外交面では拡張政策をとり、 帝政初期のクリミア戦争ではイギリスと共にロシアと戦い勝利し、 インドシナ出兵で仏領インドシナの基盤を築いた。 しかしイタリア統一戦争ではサルデーニャと同盟するも単独講和をして裏切り、 メキシコ出兵は失敗して撤退した上担ぎ上げた皇帝マクシミリアンを見捨て、 権威を失墜させることとなった。 さらにスペイン王位継承問題からプロイセンに宣戦布告したが敗れて捕虜となり、 退位・亡命を余儀なくされ第二帝政は終わりを迎えた。

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