三国志(さんごくし)

[中国]

元々は後漢末の動乱から三国鼎立、その終焉までを記述した紀伝体の史書。 著者の陳寿は始め蜀漢に仕え、滅亡後は晋に仕えた。 後に晋王朝によって正史と認められる。 さらに後の南北朝時代、裴松之によって注釈が加えられ、 逸話が増えてより面白いものとなった。 さらに民間伝承も加わり、明代に三国志演義が小説としてまとめられ、 一般に有名になった。 正史では陳寿が晋に仕えている立場上魏を正統としているが、 演義では宋の学者朱熹の説や民間伝承を受けて蜀漢を正統としている。 そのため両者の人物の捉え方には違いが見られる。 現代の三国志モノは、 両者や他の史書・自分の想像を加え様々な捉え方をしている。 日本では圧倒的な人気を誇るが、 その理由の一つには楚漢春秋より複雑で五胡十六国等より単純であり 適度な複雑さであること、 ヒーローが皆勝者=天下人となれず 判官贔屓が働くことなどが考えられるが、いかがだろうか。

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