呂不韋(りょふい)

[中国−春秋・戦国時代]

商人から秦の丞相となる。 韓の出身で富豪と呼べる商人であったが、 趙で秦の人質である王子の異人を知る。 「奇貨居くべし」(ホリダシモノを見つけたぞ、買っておけ)と思い、 この王子の後援者となる。 その財力にモノを言わせ、宮廷工作によって子楚と名を改めた異人を 王の後継者とすることに成功する。 その間、自分の愛人を子楚に与え、この女が政、後の始皇帝を生む。 子楚が即位すると望み通り丞相となり、権勢をほしいままにする。 荘襄王子楚は間もなく死去するが、 その子政が王となっても丞相のままであり、 父の代わりの仲父と呼ばれた。 その間に学者を集め、呂氏春秋という書物をまとめさせている。 王の母と密通をしていたが、 さすがに王の政が恐ろしくなり代わりにロウアイという男を与える。 しかしこのロウアイが自分以上に権勢を握り、 王に逆心を抱いたため討殺される。 そこで王政が呂不韋の密通、 さらに自分が王の子ではなく呂不韋の子であることを知り、 呂不韋を免職、蜀へ移住させる。 そこで呂不韋は己の運命を悟って自害する。 この時から政は孤独な専制君主としての道を歩むことになる。

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