ローマ教皇(ローマきょうこう)

[ヨーロッパ−ローマ帝国以降]

キリスト教カトリックの最高位の聖職者。 イエスの弟子ペテロの後継者という位置付けになっている。 本来の称号は「パパ」で日本語では「教皇」だが、俗に「法王」とも言う。 元々ローマの教会は有力教会の一つであったが、 ローマ帝国が分裂して西ローマが滅亡し、 東西の政治・文化の差異が大きくなると、東の教会と決別した。 以後ローマ教会は東方正教会が主にスラブ系に布教したのに対して、 ゲルマン人に布教して西ヨーロッパでの地位を確立した。 東方とは仲が悪く、互いに破門し合ったりもした。 また中世にはローマ周辺に教皇領を持ち、世俗権力の強大であり、 皇帝と西欧の覇権を巡って度々争った。 十字軍を提唱して西欧諸侯を牛耳ったこともあったが、 徐々に世俗の王侯に押され、フランス王にアヴィニョンに強制移動させられるなど 実際の権力は低下していった。 やがて教皇も世俗の権力と同様腐敗し、プロテスタントの離反を招いた。 近代に入るとナポレオン、次いでイタリア王国に教皇領を奪われ、 現在のバチカンのみが残り、世俗権力はほとんど失った。 ただし、現在でもカトリックの最高権威であり、 その影響力は充分に大きい。

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