マクシミリアン=ロベスピエール

[ヨーロッパ−近代]

フランス革命期の政治家。 恐怖政治を行い、テロリスト(恐怖政治家)・左翼政権独裁者の元祖とされる。 フルネームは マクシミリアン=フランソワ=マリー=イジドール=ド=ロベスピエール。 フランス北部で弁護士の子として生まれたが、 母の死と父の失踪(身を持ち崩したとされる) により幼くして両親を失うこととなった。 奨学金を得てパリで法律を学び、自身も弁護士となった。 三部会が招集されると第三身分の代表として参加し、 ジャコバン派内部の左派である山岳派に属し、 死刑廃止法案などの先進的な法案に携わった。 ジロンド派を追い落として自身が政権を握ると、 急進的な改革を推し進め、 反対するものをギロチンで処刑する恐怖政治を行った。 同じジャコバン派のマラーが暗殺されると彼を神格化して ジロンド派の評判を悪化させ、 ジャコバン派内部でのロベスピエール自身の地位を盤石なものとした。 しかし、ジャコバン派内部でより急進的な改革を求めるエベール派、 革命の収束を求める穏健なダントン派と対立し、 両者を粛清して独裁権力を確立させた。 しかしこの恐怖政治は身内の反発と猜疑を生み、 テルミドールのクーデターによって側近諸共逮捕されて失脚、 自身が政敵にしたようにギロチンによって処刑された。
ロベスピエールは紳士的な振る舞いと質素な生活で市民に人気があった。 一方「徳無き恐怖は忌まわしく、恐怖無き徳は無力である」 という言葉に示されるように、恐怖政治を必要な物と考えていたようだが、 結局は恐怖への依存が己の身を亡ぼすこととなった。

見出しのページに戻る
歴史小事典+歴史世界地図に戻る