李斯(りし)

[中国−春秋・戦国時代〜秦]

秦の丞相。楚で生まれ、荀子の弟子になる。 便所の鼠と倉庫の鼠を見て人の賢不肖は自ら処るところによると思い立ち、 大国秦に仕える。 呂不韋の死後他国の出身者が秦から追放されそうになるが、 これに正面から反対し、かえってその評価を上げた。 始皇帝の下で丞相として法家思想による政治を行ったが、 同門の韓非子の才能を妬み、讒言で自害に追い込んだ。 始皇帝の天下統一でその丞相として富貴を極めたが、 始皇帝の死後趙高に脅迫されて陰謀に荷担させられ、胡亥を擁立する。 趙高の専横に対し胡亥に正論を訴えるが、聞き入れられず逆に処刑される。 最後に息子に 「一緒に狩りに行きたかったが、とうとう行けなくなったね」 と言ったという。 無残な最後は自業自得とはいえ、少々哀れでもある。

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