ルネサンス

[ヨーロッパ−近世]

14世紀から16世紀にかけて主にイタリアを中心に興った 古典文化の復興運動。 「ルネサンス」はフランス語で「再生」を意味する。 中世別の時点で似たような文化の復興運動が興ったが、 それらも××ルネサンスと呼ばれる (カロリング朝ルネサンス、パレオロゴス朝ルネサンス等)。 イタリアのルネサンスは地中海交易で栄えた北部・中部の都市国家で発生した。 ルネサンスの先駆けと言われるのはフィレンツェ出身の詩人ダンテである。 その後ビザンティン帝国滅亡により多くの文化人がイタリアに逃れ、 彼らが携えたギリシア・ローマ時代の古代文献により古典研究が活発になった。 元々イタリアは古代ローマの中心地で遺跡・遺物が多く、 研究には適した土地柄であった。 こうした文化的背景の下、交易で栄えた財力の支えもあって レオナルド=ダ=ヴィンチやミケランジェロといった 多くの著名な文化人達がこの時期に活躍した。 しかしその後小国が分立していたイタリアは フランスとスペイン・オーストリアの覇権争いの舞台となり、 また大航海時代の外洋航路開拓によって交易の中心からも外れ、 相対的に廃れていった。 一方文化的運動はアルプスを超えて他の西欧諸国に伝わり、 特にオランダを中心に北方ルネサンスと呼ばれる文化が花開いた。
ルネサンスは文芸のみならず科学技術の進歩ももたらした。 後にルネサンス三大発明と呼ばれる活版印刷・羅針盤・火薬は 西欧ではこの時期に実用化された。 これらはそれぞれ情報・航海・戦争の分野に革命をもたらし、 世界が大きく動く原動力となった。

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