イタリア王国(イタリアおうこく)

[ヨーロッパ−近代・現代]

サルデーニャ王国によるイタリア統一によって成立した 現在のイタリア共和国の前身となる王国。 サルデーニャが中・南部イタリアを手中にしイタリアの大部分を領土とした時点で イタリア王国(事実上サルデーニャの名称変更)を成立させた。 最初首都はサルデーニャと同じくトリノであったが、 北に寄り過ぎていたためフィレンツェに遷都し、 ヴェネツィア・ローマを獲得し(未回収のイタリアを除いて) イタリア統一を完成させた後は現在のイタリア首都であるローマに遷都した。 フランスが地中海対岸であるチュニジアに侵攻するとこれと対立し、 ドイツ・オーストリアと三国同盟を結んだ。 その後は列強に負けじと海外植民地獲得に乗り出し アフリカのソマリランドやリビアを植民地にしたが、 エチオピアに敗れ同地獲得には失敗している。 第1次世界大戦では未回収のイタリアを巡る対立から同盟軍には加わらず中立となり、 英仏露と秘密条約を結んで連合国側として参戦した。 戦後イタリアは戦勝国となり未回収のイタリアも獲得したが、 戦争の経済的負担は大きく政情不安を引き起こした。 その情勢下でムッソリーニ率いるファシスト党が台頭して政権を握り、 王の支持の下で一党独裁政治を行った。 しかしファシスト政権はドイツのナチス政権と結んで第2次世界大戦に参戦し 敗戦によって降伏、 さらにナチスに支援されたファシスト残党との内戦に突入してしまった。 戦後ファシストを支持した王は国民の支持を失い、 王政は廃止されてイタリアは共和制のイタリア共和国となった。

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