ローマ占領(ローマせんりょう)

[ヨーロッパ−近代]

イタリア王国がローマ教皇領を占領し遷都した事件。 イタリア王国はイタリアの大部分を領土としたが、 イタリアの中心であるローマは教皇領として残されていた。 ローマ獲得はイタリア王国の悲願であったが、 当時の教皇ピウス9世は反動保守主義者で自由主義などの近代思想を敵視し、 自由主義者が多いイタリア王国と敵対しており、 またフランス軍に守られていたためイタリア王国は手を出せなかった。 しかし普仏戦争に伴ってフランスがローマ駐留部隊を本国に帰還させ、 さらにフランスの敗北が明白になると教皇領の占領へと動いた。 降伏勧告の使者が拒絶されると進軍を開始し、 短期間でローマを占領した上で住民投票を行い併合を実施した。 その翌年イタリア王国はローマへ遷都し悲願を達成したが、 バチカンに籠った教皇との対立は後にファシスト政権が和解するまで50年以上続いた。

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