フランス第一帝政(フランスだいいちていせい)

[ヨーロッパ−近代]

ナポレオンによる君主制政権。 ナポレオンは統領政府の頃から事実上の独裁政治を行っていたが、 己の死後の政治的安定を求めて「選挙によって国民に支持された」 形で世襲君主である皇帝に即位した。 これに対してフランスを敵視していた諸外国の態度はさらに硬化し、 対外戦争は激化することとなった。 結果としてオーストリア・ロシア・プロイセン相手に陸戦で勝利して領土を削り、 また滅亡したポーランドをワルシャワ公国として保護国とし、 大陸の覇権を確立した。 しかし内紛に介入したスペインではゲリラに悩まされ、 イギリス封じのため大陸封鎖令を発したが諸国の反感を招き、 オーストリアは再び屈服させマリー=ルイーズと政略結婚したものの ロシアでは焦土戦術の前に敗退を余儀なくされた。 この敗戦によって諸外国が一斉に蜂起し、 窮地に追い込まれたナポレオンは退位の後地中海のエルバ島に流罪となった。 その後戦後処理の混乱に乗じてエルバ島を脱出しパリで復位したが、 ナポレオンを危険視する諸国と戦うもワーテルローで破れ、 今度は再び脱出されないよう大西洋の孤島であるセントヘレナ島への流罪となった。 このナポレオンの完全失脚により、第一帝政は終焉を迎えた。

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