フェニキア

[中東−古代]

古代の地中海沿岸で栄えたセム系の民族。 現在のシリア・レバノンの海岸のシドン・ティルスといった都市を本拠地とし、 当時最高の品質と言われたレバノン杉で船を作り、 海上交易を主な生業として莫大な富を築いた。 航海術に優れ、地中海を飛び出し当時未開の地であったアフリカや ヨーロッパにも進出していたと言う。 それだけに影響力も絶大で、 ギリシアの主神ゼウスはフェニキアやその近辺で信仰されていた バールによく似ている (ちなみにこの神を信仰する民族がしばしばユダヤ人と敵対していたため、 後この神はキリスト教によって悪魔にされてしまう)。 ギリシアもそうだがフェニキア人も多くの植民都市を築いた。 その中で最も発展したのがカルタゴである。
フェニキアの本体と言うべき地中海東岸の都市は、 ペルシア帝国の下でも栄えたが、アレクサンドロス大王の軍門に下り、 独立を失った (それでもカルタゴがローマに消滅させられたのに比べれば 随分ましではあるが)。

見出しのページに戻る
歴史小事典+歴史世界地図に戻る