ファラオ

[エジプト]

古代エジプトの王の呼称。 神の子、或いは代理人として君臨したが、 肝心の神の方は時代によって異なる (大抵はラーやホルス、或いはその派生バージョンである)。 オリエントでは肥沃な土地で早くから強大な国家が生まれたため、 専制君主の権力が絶大である (山がちで都市ごとの独立性の高いギリシアとは対照的である)。 ファラオはその代表格である。 後ペルシアやマケドニアに征服された時も、 征服者を神の子と見なしてその支配下に入った。 ローマの時も同じで、 そのためオクタヴィアヌスはエジプトを皇帝の直轄領とした。 この傾向はキリスト教が普及するまで続いた。 やがてローマの力が弱まり東西に分裂すると、 皇帝を神の子ファラオとは見なさなくなり、 ビザンツ帝国に反抗的態度をとるようになった。 この辺りがエジプトからファラオが消滅した時期と言えようか。

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