[ヨーロッパ−近世]
フランスの哲学者・数学者・自然哲学者。
フランス中部のクレルモンで行政官の息子として生まれた。
幼少の頃から天才ぶりを発揮し、
三角形の内角の和や等差数列の和を自力で証明したという話がある。
家族でパリに移住し、学校へは行かずに家庭教師や父から教育を受けた。
長じて信仰に目覚め、妹が入ったポール=ロイヤル修道院に近い立場を取るようになった。
哲学や数学・物理学の業績と共に、バスのような乗合馬車のシステムを考案し創業したが、
体を壊し39歳で死去した。
パスカルの哲学はデカルトが演算的手法を重んじたのに対し、
実例の観察を重視する機能的方法を重んじた。
また信心深かったためデカルトほど人間の理性を信じ切れなかった面もあったようである。
数学者・科学者としては幾何学のパスカルの定理、
確率論の創始及びそれに伴うパスカルの三角形の発表、
静水圧のパスカルの原理といったものがある。
これらの業績から、プログラム言語のパスカルや圧力単位のパスカルにその名を残している。