オト

[ローマ帝国]

ローマ帝国皇帝。本名マルクス=オト。 名門貴族の出身だが、皇帝ネロの言わば「悪友」であった。 典型的な「貴族の馬鹿息子」としてネロと一緒に放蕩三昧であったが、 ネロがオトの妻ポッパエアに横恋慕したためルシタニア(ポルトガル)総督として左遷される。 だがここでオトは以外にも優秀な行政官ぶりを発揮し、属州民に人気があった。 やがてネロに対する反乱が起こるとガルバに加担、勝利者としてローマに戻った。 しかし、ガルバは有力な支持者であるはずのオトを重用せず、 さらにゲルマニアの反乱に対し有効な手を打てなかったため、 オトはガルバを見限り殺害、自ら皇帝となった。 ウィテリウス、否、ゲルマニア軍団兵の懐柔に失敗したオトは、 皇帝としてゲルマニア反乱軍と戦った。 しかし行政は存外優秀でも軍事的素養には恵まれなかったようである。 反乱軍に破れ、絶望したオトは在位僅か3ヶ月で自害した。 彼は潔い死に様で一時称えられたが、その後すぐにゲルマニア軍団兵がローマに乱入、 帝国は存亡の危機に立たされるのである。

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