ウルバン砲(ウルバンほう)

[オスマン帝国]

オスマン帝国がコンスタンティノープル攻略戦で使用した大砲。 名前は開発者のハンガリー人の名前に因む。 当初はビザンティン帝国に大砲を売り込んだが、 断られたため敵のオスマン帝国で造らせてもらったと言われる。 過去何度も侵略者を跳ね返したコンスタンティノープル城壁に対抗するため 当時としては破格の巨砲となったが、 全長約8メートル・重量19トンの青銅砲で、 その巨大な砲身から500kg以上の石弾を発射できた。 移動には荷車30両・牡牛60頭・ 人員200名+道路補修用員250名を要したとされ、 それでも1日4kmしか進めなかった。 また砲身の加熱のため発射速度は1日7発が限界であった。 また故障も多かったため、実際には城壁の修復の方が速く 攻略のためには期待ほどの成果は挙げられなかったようである。 とは言えその一発の大きさと轟音による心理的効果は大きかったようで、 コンスタンティノープル攻略に貢献した兵器としてその名を歴史に残した。 ちなみに流石にここまで巨大な大砲は使いにくかったらしいが、 オスマン帝国は火砲を重視してその後の勢力拡大に積極的に活用している。 またヨーロッパでも火砲の使用が活発になり、 城塞構築技術に大転換をもたらすことになった。

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