オドアケル

[ローマ帝国]

西ローマ帝国を滅ぼした男。 ドナウ川流域のゲルマン部族の出身で、ローマ軍に入り頭角を現した。 後に傭兵隊長オレステスが皇帝ネポスを退位させその子ロムルスを帝位に就けたが、 傭兵隊との間に反目が生じた。 ここでオドケアルが反オレステス派に推されて傭兵隊長になり、 オレステスを殺害し、ロムルスを退位させた。 その後は傀儡皇帝を設けず、西ローマ帝国を滅亡させた。 自身はローマ化していないゲルマン人であったためゲルマンの王として振る舞い、 東ローマに形式上従属しつつ東方に勢力を広げた。 しかし、同じゲルマン人の王であるテオドリックに破れ、降伏、後に殺害された。 結局、彼は殆ど滅亡しかかっていた西ローマ帝国に止めを刺した「だけ」 の男で終わってしまったのである。

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