ノヴゴロド公国(ノヴゴロドこうこく)

[ヨーロッパ−中世]

ロシア北部のノヴゴロド及びその周辺地域を支配していた国家。 ノヴゴロドはかつてホルムガルド(川の島の城)と呼ばれ、 ヴァリャーグ人(ヴァイキング)によって支配されていた。 その後スカンディナビアから来たリューリクによって征服され、 その後継者オレグが本拠地をキエフへ移すと ノヴゴロドはキエフ大公国の地方都市となった。 しかしノヴゴロドは木材や蜜蝋、そして毛皮の交易の中心地であり、 そのため商工業が発展した主要都市であり続けた。 ウラジミール聖公やヤロスラフ賢公は大公となる前は何れもノヴゴロド公であったが、 彼らが大公となれた背景としてノヴゴロドの経済力もあったと考えられる。 一方この経済力のため公でない貴族や大商人の力が強く、 実態としては公国というよりは貴族共和制であった。 そのため公でありながら追放されることもあり、 ルーシ分裂期の英雄アレクサンドル=ネフスキーも治世の最中に追放を経験している。 このように繁栄したノヴゴロドであったが、 モンゴル支配期に寒村であったモスクワの力が強力になり、 ノヴゴロドもモスクワによって征服され公国としての歴史が終焉を迎えた。 征服後のノヴゴロドはスウェーデンとの係争地となったこともあり、 かつての繁栄は鳴りを潜め一地方都市と化した。 現在もノヴゴロドは人口20万程度の小都市である。

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