ニケーア帝国(ニケーアていこく)

[ビザンティン帝国]

第4回十字軍によって首都コンスタンティノープルを奪われた ビザンティン帝国の亡命政権の一つ。 皇帝の姓からラスカリス朝とも呼ばれる。 後に首都を奪回するパレオロゴス朝の前身である。 首都陥落後、 皇帝アレクシオス3世の娘婿のテオドロス=ラスカリスが小アジアのニケーア (現在のイズニク) でテオドロス1世として即位して生まれた。 十字軍の建てたラテン帝国の他に、ルーム=セルジューク朝や 同じ亡命政権であるトレビゾンド帝国、 さらに舅のアレクシオスまで敵になったが、 テオドロスは全て退けて基盤を確立した。 次の皇帝であるヨハンネス3世はさらに内政基盤を整え、 対岸のバルカン半島にまで勢力を拡大した。 しかし、その後皇帝テオドロス2世が若死にし、 後継者のヨハンネス4世が幼かったため、 ミカエル=パレオロゴスが政敵を排除した上で摂政となった。 このミカエルが共治帝となり、実権を握った。 ミカエルは十字軍の隙を付いてコンスタンティノープルを奪回し、 幼いヨハンネス4世の目を潰した上で幽閉し、 自ら唯一の皇帝となった。 こうしてニケーア帝国=ラスカリス朝はその役目を終えて消滅した。

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