ナルセス

[ビザンティン帝国]

ビザンティン帝国のユスティニアヌス大帝配下の宦官。 ベリサリウスに次ぐ名将でもある。 アルメニアの出身でビザンティン帝国の宮廷に仕え、長官にまでなった。 大帝治世のニカの乱では皇帝を救ったが、 この時武人としての才能も見出されたようである。 イタリアでベリサリウスの援軍の司令官として派遣されたが、 この名将とは相性が悪く、召し返された。 ベリサリウスが解任されると代わって総司令官となり、 イタリア征服を完了させた。 この時点ですでに70歳を過ぎた老人であったことを思えば驚くべきことである。 その後そのままイタリア総督として、 10年以上北イタリアのラヴェンナでイタリアを統括した。 ローマは完全に破壊されて、統治機能を持てなかったのである。 しかし、大帝の死後90歳近くになって解任され、ローマで死去した。 ビザンティン帝国は彼のいなくなったイタリアを統治し続けることはできず、 結局永遠に失うこととなった。

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