[ヨーロッパ−中世・近世]
後のロシア帝国の源流となった国家。
英雄アレクサンドル=ネフスキーの末子ダニールが
モスクワを領地として与えられたことで成立した。
当時のモスクワは都市とも呼べない村であったが、
ダニールが領土を獲得してヴォルガ河の水運の要衝として発展し、
またノヴゴロドやモンゴルの支援を得られたことで勢力をつけ、
ダニールの子ユーリーはウラジーミル大公位も得るまでになった。
その後も順調に勢力を蓄え、大公位はモスクワ公が世襲するようになり、
事実上ロシア北部の覇権を獲得した。
さらに滅亡したビザンティン帝国の姫と結婚することでローマ帝国の継承者を自称し、
さらにモンゴルの退勢に乗じて属国の地位から独立した。
そしてイヴァン4世 (雷帝) がツァーリ (皇帝) として即位し、
ロシア=ツァーリ国へと発展した。
(なおこのロシア=ツァーリ国は日本ではピョートル大帝以降とほぼ同一視され
ロシア帝国と呼ばれることが多い。)